・年齢:30代前半 千葉県在住
・総務・人事担当のサラリーマン
・2020年、第一種衛生管理者試験合格
・後輩10人以上に試験対策の助言経験
・「衛生管理者.com」管理人
「衛生管理者試験」の第一種と第二種どちらを受ければいいか迷っているのなら、第一種の受験がオススメです。
職場では「第二種」でいいと言われても、せっかくだから「第一種」を受けたいという人も多いと思います。
本記事では、第一種衛生管理者・第二種衛生管理者どちらを受ければよいか解説します。
・迷っているなら、第一種衛生管理者試験を受けましょう。
・勉強時間は第一種:約100時間、第二種:約60時間
・「仕事が忙しすぎる人」「資格取得後の目標がない人」「一発合格が必須な人」は第二種衛生管理者でもOK
「特別忙しい」という状況でなければ、第一種を受けることをオススメします。
第二種に合格してから、第一種を受験する「特例第一種衛生管理者免許試験」という方法もあります(あまりオススメしませんが)。
第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の違い
「第一種衛生管理者免許」を持つものは全ての業種の事業場で衛生管理者を担当できます。
一方で、「第二種衛生管理者免許」を持つものは下記の業種の事業場で衛生管理者を担当できません。
農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業及び清掃業
※事業場とは、衛生管理者としての仕事をする場所のことです。
つまり、あなたが仕事をする事業場が上記のいずれかの業種であれば「第一種衛生管理者免許」を取得しなければなりません。
それ以外の事業場であれば、第一種衛生管理者・第二種衛生管理者どちらでも担当できるということになります。
試験範囲・難易度・勉強時間の違い(第一種と第二種)
第一種と第二種の試験範囲・受験科目の違い
まず、試験範囲の違いについては第一種衛生管理者が5科目、第二種衛生管理者が3科目。
「関係法令(有害業務)」「関係法令(有害業務以外)」「労働衛生(有害業務)」「労働衛生(有害業務以外)」「労働生理」
第二種衛生管理者の受験科目は(有害業務)の2科目を除いた3科目です。
「関係法令(有害業務以外)」「労働衛生(有害業務以外)」「労働生理」
第一種と第二種の難易度の違い
第一種衛生管理者が簿記3級より少し難しい、第二種衛生管理者が簿記3級より少し簡単というレベルです。
それぞれの受験者数は、安全衛生技術試験協会のホームページに掲載されています。また、難易度については下記の記事も参考にしてください。
【参考】衛生管理者試験は難しくなった?合格率・一発合格率を解説
第一種と第二種の勉強時間の違い
第二種衛生管理者の3科目に第一種衛生管理者用の2科目を追加して勉強するとなると、単純に勉強時間が倍くらいになります。
第二種なら最短で2週間程度の勉強で合格する人もいます。
第二種から第一種に挑戦する
第二種衛生管理者に合格してから、第一種衛生管理者に挑戦するという選択肢もあります。
「特例第一種衛生管理者免許試験」という方法で、第二種衛生管理者取得者は有害業務の2科目だけの受験で、第一種衛生管理者資格が取得できます。
時間がかかるので、オススメしていませんが、気になる方は下記の記事にまとめています。
第一種衛生管理者の受験がオススメ!4つの理由
1日30分〜1時間の追加勉強でOK
第二種衛生管理者の勉強に1日の勉強時間を30分〜1時間ほど増やせば、第一種衛生管理者も合格できると考えています。
毎日1時間の勉強をさらに、30分〜1時間頑張れば、合格が目指せる難易度です。
通勤の帰りだけ勉強→往復の勉強で合格できると考えたら、頑張ってみようと思いませんか?
有害業務の正答率が低くても問題なし
試験の合格ラインは、第一種衛生管理者、第二種衛生管理者ともに、全体で6割以上、各科目で4割以上です。
「有害業務以外(2科目)」、「労働生理」の試験範囲で8割解答できる場合、有害業務の2科目でそれぞれ4割解答できれば、第一種衛生管理者でも合格になります。
難しいと思っても、気負いする必要はないですよ。
上位資格のほうが評判がいい
第二種衛生管理者でも問題ないところ、第一種衛生管理者を取得すれば、周りからの評価も上がります。
第二種衛生管理者を取得した人よりも高評価を得られるはずなので、ボーナスなどの査定にいい影響がある可能性もあります。
語呂合わせや動画で対策が可能
第一種衛生管理者試験の問題を初めて見ると、聞いたことない化学物質がたくさんで出てきて、不安になります。
しかし、よく出る箇所は決まっていて、語呂合わせやYouTubeによる耳学習が可能です。
勉強時間が増える負担はそこまで多くありません。また、通信講座を使って時短するという手もあります。
第一種衛生管理者を受験するべき人
ここまで、第一種衛生管理者の受験を薦めてきましたが、第一種・第二種それぞれどのような人が受験するべきかを整理します。
上位資格の取得や、職場での活躍を目指す人
「第一種衛生管理者」は、「労働衛生コンサルタント」や「社会保険労務士」などの上位資格の入り口とも考えられます。
今後、労務・衛生管理の担当者としてスキルを上げていくためには最初から第一種衛生管理者を取得したほうがいいでしょう。
どちらを受験しようか迷っている人
先ほど、第一種衛生管理者をオススメしたように、迷っている人は、ひとまず第一種衛生管理者を目指せば、間違いありません。
第一種衛生管理者の勉強をしていて、無理そうであれば「有害業務」の勉強をあきらめ、第二種衛生管理者の受験に変更することもできます(受験申込の前であれば)。
第二種衛生管理者を受験するべき人
第二種衛生管理者の受験でいい人もいます。
業務多忙で勉強時間が取れない人
仕事がどうしても忙しくて、勉強時間がほとんど取れないという場合は第二種衛生管理者の受験でいいと思います。
寝る時間を削って、体調を崩してしまったら大変ですからね。
会社からの命令で仕方なく勉強する人
衛生管理者資格は衛生管理の初級資格で、スキルアップの可能性があります。
しかし、スキルアップする気はない、別の業種に転職することが決まっているなど、
会社からの命令で仕方なく資格を取得する場合は、勉強時間が少なくてすむ、第二種衛生管理者でいいでしょう。
一発合格が必須な人
急な退職・休職などで、すぐに次の衛生管理者が必要ということもあるでしょう。
そんな時は、職場としても切羽詰まっている状態だと思いますので、第二種衛生管理者を受験しましょう。
第二種衛生管理者の1週間後に、第一種衛生管理者を受けるなど、同時に試験申し込みという手もありますね。
まとめ:第一種衛生管理者がオススメ
迷っている人は「第一種衛生管理者」の受験をオススメします!
第二種衛生管理者の試験範囲で8割解答できる場合、第一種衛生管理者で追加の2科目でそれぞれ4割解答できれば、第一種衛生管理者でも合格になります。(総合で6割以上の正解率、各科目内で4割以上の正解率が合格ラインです。)
少し頑張って、第一種衛生管理者を受験するほうがお得です。
第二種を取得してから第一種を取得するという方法もありますが(科目の免除がある)、高い受験料を払って、遠い受験会場まで行くのも気がのりません。私は一回で第一種衛生管理者を受験することをオススメします。