・年齢:30代前半
・総務系の大学職員
・2020年、第一種衛生管理者試験合格
・後輩10人以上に試験対策の助言経験
・「衛生管理者.com」管理人
衛生管理者の試験内容が「過去問と違い、見たことない問題が多い」という話をよく聞くようになりました。
しかし、筆者は引き続き過去問中心の対策で大丈夫だと考えています。
・「衛生管理者」試験の合格には、過去問対策だけでOK!
・年に100回以上試験が行われているため、問題が繰り返し出題される
・見たことない問題も出題されるが、解けなくても合格には影響がない。
筆者は、過去問対策だけで第一種衛生管理者試験に合格しています。2023年にも後輩に確認していますが、過去問対策中心でよいと考えています。
まだ、問題集を購入していない人は、オススメの1冊だけ先に紹介しておきます。
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過去問と違う「見たことない問題」の対処法
2022年頃から、「見たことない問題が多く、過去問だけの対策では十分ではなかった」「過去問が出ず、合格の自信がない」という意見をもらうようになりました。
第1種衛生管理者受かってた!過去問しかやってなくて新問多くて苦戦したので危うい気がしてた。良かったー😮💨
— きぃちゃん (@DanMiffy) October 1, 2021
2023年に受験した後輩に確認し、試験問題を確認しましたが、確かに新傾向の問題が多くなっているように思います。
「見たことない問題」が試験に出たら、慌ててしまいますよね。
解答がわからなくても落ち着いて、「とばす、捨てる」のが重要です。
衛生管理者試験は60%の正答率で合格できますから、見たことない問題に正解できなくても、他の問題で正解できれば問題ありません。
過去問と違う問題が増えても、テキストを全て読み込む必要はなく、過去問での対策で十分だと思っています。
過去問だけの対策で十分!自信をなくす必要はない
【過去問での対策で十分な理由】
・過去問の再利用問題は、相変わらず多い
・数問のために、テキストを全部学習するのは効率が悪い
・五者択一の問題を、6割の正答率で合格できる
過去問で見たことない問題が増えているものの、合格ラインの6割をとるために、手広く過去問以外も勉強するほうがリスクだと思います。
また、過去問題の類似問題であるケースもあります。
過去問以外で対策をするのであれば、YouTubeなどで紹介されている語呂合わせや最近の改正事項に絞って勉強するべきです。
衛生管理者試験のコツは、ひたすら「過去問」を解くことです。過去問の正答率を80%にできれば、本番でも合格できるでしょう。(第一種も第二種も同様です)
なぜ、過去問を解くのがいいのかというと「同じ問題が出されるから」です。
同じ問題と言っても、問題の一言一句と選択肢の順番も一緒という意味ではありません。過去問を理解できていれば、「正答できるレベルの」同じ問題です。
言葉の定義の文言が、別の言葉の定義になっていたり、肯定文が否定文になっていたりしますが、過去問と同じ知識で解答できる問題が出ます。
過去問は「公表試験問題」として公開されています。
実際に半年前と1年前の問題をやればわかります。
何個か「さっき見たな」という問題があります。過去3年分くらいやれば、「これも見たし、あれも見たな」となります。
これで自身をつけるのが正答率アップの好循環であり、衛生管理者試験の必勝法です。ではなぜ、同じ問題が出されるのでしょうか。
同じ問題が繰り返し出題される理由
「費用」と「衛生管理者資格設置の背景」という点から、同じ問題が出されることの説明ができます。
試験問題作成の費用
資格試験を行うために問題を作成し、問題を刷り、試験官を雇います。他の資格試験も一緒ですが、士業(弁護士や公認会計士)の資格試験は基本的に1年に1回です。
これらの試験は1年に数回専門家が集まって問題を作成すれば問題ありません。
一方で、「衛生管理者試験」は関東だけでも月に10回以上あります。さらに1種と2種の試験があり2倍の量です。
それが全国で行われるので、毎回別の問題を作るとなると、1月だけでも30パターンくらいの問題を作る必要があります。
これだけの回数、別の問題を作成する費用がありません。
TOEIC等も全国で複数回行われていますが、衛生管理者試験よりも回数が少なく、受験者数も多いです。TOEICは就活で使う学生や社会人の受験者も多いですね。
一方で、「衛生管理者試験」は受験者が限られています。受験者数が少なく、受験料収入も少ないため、問題を変更する財政的余裕がないということだと思います。
衛生管理者資格設置の背景
財政的余裕がないのは衛生管理者資格設置の背景も関係しています。
「衛生管理者資格」は個人の能力を示す物というよりは、「事業所に1人はいないといけない」という、義務で成り立っています。
下記のようにまとめられます。
事業主が利益をあげることだけを優先した劣悪な労働環境になる(労働者の搾取)
→対策として、法律を作り事業所の衛生管理のルールを定める(労働安全衛生法)
→しかし、国が監視する余裕がないため、職場で法律が守られない
→そこで事業所に労働衛生の専門家をおき、監視させることにする(自主管理)
→監視のため「衛生管理者」資格をつくり、国で管理(国家資格の制定)
→一定規模以上の事業所に「衛生管理者」の設置を義務化(職場の自主管理)
適切に税金を納めるために専門家の「税理士」がいます。
争いを法的に解決するために専門家の「弁護士」がいます(いずれも難関資格です)。
同じように職場の衛生管理を適切に行うための専門家が「衛生管理者」です。
しかし、「衛生管理」は事業所内で解決することであり、大きなお金が動くこともないので、手軽に管理できるよう、国家資格として「衛生管理者」が作られたのだと思います。
だから、合格率も50%近くと非常に高いのです。
(令和5年度、第一種衛生管理者:46.0% 第二種衛生管理者:49.6%)
合格率が10%程度だと、「頑張っても合格しないので、衛生管理業務できません」と言われかねません。そうならないように、勉強すれば合格できるレベルの試験にしています。
衛生管理者試験は「半年、同じ問題が出る」は「嘘」
衛生管理者試験は同じ問題が繰り返し出題されやすい傾向にあります。
一方で、衛生管理者試験で「半年間、全く同じ問題が毎回出る」という噂がありますが、それは「嘘」です。
安全衛生技術試験協会の公式ホームページに4月と10月の試験問題が掲載されています。
この掲載から半年間同じ問題だと思われる方がいますが、ある1回の試験を「例」として公表しているだけで、毎回同じ問題ということではありません。
公表試験問題と全て同じではないということは理解しておいていただければと思います(半年間同じ問題だったら、さすがに全員合格してしまいますね。。)
まとめ:「見たことない問題」は気にしない
衛生管理者試験は過去問だけで試験対策が可能です。
過去の問題集で対策するとなったら、下記の1冊を繰り返し解けば十分です。
後輩にアドバイスをしながら、10冊以上の衛生管理者テキストを分析して、コスパ・内容から自信を持ってオススメするのが下記のテキストです。
【第一種衛生管理者】
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【第二種衛生管理者】
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参考書・テキストの比較をしている記事もありますので、参考にしてもらえると嬉しいです。
また、衛生管理者の勉強をしている人を多く見てきて、考えた「無料・独学」の勉強法も紹介しています。