・年齢:30代前半
・総務系の大学職員
・2020年、第一種衛生管理者試験合格
・後輩10人以上に試験対策の助言
・「衛生管理者.com」管理人
【本記事を読んでいただきたい人】
・転職するために、資格取得を考えている。
・衛生管理者の勉強をしていて、転職に役立つか知りたい
・過去に取得した「衛生管理者」を転職に活かせないか考えている
衛生管理者資格を転職でアピールしたいと考えていませんか?
・「衛生管理者資格」が転職で有利になるケースはほとんどありません。
・衛生管理者は「売上を生まない」「現場経験者に敵わない」「簡単な資格」
・社内昇進には有利になる。また、社労士など上位資格もあり。
この記事を読んでいただければ、「衛生管理者」の世間からのリアルな評価がわかります。
「衛生管理者」資格の活かし方の参考にしてもらえると嬉しいです。
「衛生管理者」での転職の求人はほとんどないので、転職を考えるのであれば「市場価値診断」から始めたほうが近道だと考えています。以下の記事では『ミイダス』という診断サービスを紹介しています。
衛生管理者資格を使って転職したいという方には、オススメのサービス3選を紹介している記事もあります。
衛生管理者が転職時に役に立たない理由
第一種衛生管理者・第二種衛生管理者資格は以下の理由から、求人がほとんどありません。
(※全く求人がないわけではないですが、業界最大手のリクナビNEXT
【衛生管理者資格が役に立たない理由】
・「売上を作る仕事ではない」
・「衛生管理者よりも、長年現場で仕事をしている人のほうが詳しい」
・「2〜3ヶ月の勉強で取得できる、比較的簡単な国家資格」
衛生管理者は利益に貢献できない
転職市場で求められるのは、会社の「利益」に貢献する人材です。
営業・マーケター・システム開発など、その人が加入することで会社の利益に大きく貢献する。そんな人が転職市場で求められています。
衛生管理者資格は「国家資格」ではありますが、利益を生む仕事ではありません。
職場の衛生環境が整備され、働きやすい職場ができるかもしれませんが、その効果がわかるのは何年も先で、直接的な利益にはつながりません。
また、衛生管理者としての仕事は常にやるものではなく、週に数時間衛生管理関連の業務をする程度です。
あくまで、補助的な業務なので、それだけが採用理由になることはほとんどありません(第一種衛生管理者も第二種衛生管理者も同様です)。
「衛生管理者」優遇・歓迎の求人はありますが、内容を見ると有資格者にしかできない業務を専門にやるわけではありません。
また、衛生管理に関するより専門的な業務は「産業医」や「安全管理者」が担っています。
衛生管理は現場経験がものをいう仕事
衛生管理者の業務は職場によって大きく異なります。
例えば、銀行の営業所内であれば、指摘できる内容は一般の人でもわかる程度のことでしょう。
【指摘例】
・地震で鉢植えが倒れてきたら危険なので、固定しましょう。
・2階への階段が急なので、手すりを設置しましょう。
・コロナ対策で1時間に1回は換気しましょう。
このような一般的な指摘は資格を取らずとも、わかりそうですよね。
衛生管理者が本当の意味で活躍できるのは、工事現場や工場など、労働災害が起こりうる場所です。予め危険を察知し、安全な環境へ指導していくことに価値があります。
衛生管理者として、前の職場で活躍していても、新しい職場で巡視場所・扱う有害物質が変われば、指摘事項や仕事を行うのに適した環境も変わるはずです。
衛生管理者という資格よりも「その場所で何年も仕事をしていた人」の方が危険性や職場特有のリスク等について詳しいはずです。
【何年か勤めている経験者であれば】
・換気されていない状況でこの化学物質を使うのは危険だ。
・高温多湿での作業は危険を伴うので、30分に1回休憩する。
・昨年、労働災害があったので作業手順を再度確認する。
このような指摘ができますが、全く同業種の職場でなければ、転職者がこういった指摘をすることは難しいでしょう。
衛生管理者資格は2.3ヶ月の勉強で取得できる
衛生管理者資格は比較的簡単に合格できる資格です。
国家資格とはいえ、50人以上の従業員を雇用する職場には1名の衛生管理者を専任することになっています(1つの事業場に、衛生管理者が少なくとも1名は必要ということです)。
法律に基づいて従業員に取らせなければならない資格なので、比較的簡単に取得できます。
難易度が低い理由はこちらの記事でも紹介しています。
まとめると、利益を生む仕事ではなく、転職者がすぐに順応できる仕事でもない資格で、3ヶ月程度で取得できる資格なので、求人を出す必要はないということです。
衛生管理者の活かし方「昇進」・「上位資格」
衛生管理者資格を使って転職することは難しいですが、社内での評価をあげることや、上位資格取得のいいきっかけになります。
衛生管理者の社内評価・資格手当
衛生管理者は会社が社員に勉強させて、取得させることが多い資格です。
周りの社員が半年かけて第二種衛生管理者を取得している中、3ヶ月で第一種衛生管理者を取得すれば、社内での評価はあがるでしょう。
衛生管理者資格を早く取得することができれば、昇進のアピールになります。
また、資格手当を設けている会社も多く、3,000円〜5,000円の給与増に繋がる場合もあります。
衛生管理者の上位資格を目指す
第一種衛生管理者を簡単に取得できた人は、労働衛生コンサルタントや社会保険労務士などの上位資格にチャレンジするといいでしょう。
社会保険労務士であれば、転職どころか、開業のチャンスもあります。
上位資格は1年以上の勉強時間が必要になりますから、本腰を入れて、計画的に挑戦したほうがいいでしょう。
転職には「総務・人事」という広い求人を狙うべき
「衛生管理者資格」が転職市場で全く評価されないということではありませんが、「衛生管理者」指定の転職活動ではなく、「総務・人事」という枠で仕事を探したほうがいいです。
「総務・人事」のほうが求人数が多いですし、「総務・人事」の分野の職務経験をアピールできます。その過程で、スキルアップのために「衛生管理者」を取得したというほうが印象がいいでしょう。
仕事をしながら、勉強をして資格をとった。また、社会保険労務士・労働衛生コンサルタントなどさらなる上位資格を視野に入れているとなれば、充分な強みになります。
また、大学職員のようなホワイト業界を目指すのも1つの手です。
資格取得の過程をうまく伝えることができれば、資格で得られた知識以上の価値を示せます。
衛生管理者の転職におすすめのサービス3選!国家資格の活かし方を紹介
まとめ:転職なら資格を活かすことにこだわるな
「衛生管理者」資格についてまとめると、以下のとおりとなります。
○:社内評価を上げる。資格手当を得る。上位資格の足がかりにする。
△:衛生管理者として転職する。転職時にアピールする。
転職のために、資格の勉強をこれから始めるのであれば、考え直してもいいかもしれません。
一方で、昇進や上位資格のための練習として「衛生管理者」の取得から始めるというのはオススメできます。
すでに資格取得をしていて、転職を考えている場合は「衛生管理者」の求人にこだわる必要はありません。
「総務・人事」という分野に選択肢を拡げる。または、一から市場価値診断をするというのもいいでしょう。
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