・年齢:30代前半
・総務系の大学職員
・2020年、第一種衛生管理者試験合格
・後輩10人以上に試験対策の助言経験
・「衛生管理者.com」管理人
「第一種衛生管理者」の資格取得後に、さらに上位資格の取得を目指している人もいるでしょう。
衛生管理者がマイナー資格ということもあり、関連した資格はあまり知られていません。
衛生管理者の関連資格を紹介します。
・労働衛生関係の資格「労働衛生コンサルタント」など
・労務関係の資格「社会保険労務士」など
・業務に関わる「安全管理者」や「産業医」など別分野の専門家
この記事を読んでいただければ、衛生管理者に関連する資格の概要を理解できます。難関の上位資格が多いため、資格にこだわらず転職を目指すのも1つの手です。
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労働衛生管理とは
そもそも、労働衛生管理とは「職場における危険有害因子(ハザード)を除去または低減し、労働に起因する健康障害を防止するのみならず、労働者の健康の保持増進を図り、快適職場の形成を図っていく」ために行われるものです。
簡単にいうと「職場で事故・災害が起きないように注意する」ということになります。
職場で、事故・災害が起きないように、衛生管理者以外にも様々な資格の人が活躍しています。
・労働衛生関係の上位資格
・保険労務関係の資格
・衛生管理者としての業務を行っていく上で関わる専門職
衛生管理者の上位資格
「第二種衛生管理者」の上位資格は「第一種衛生管理者」です。まずは、第一種衛生管理者資格を取得しましょう。
【一種がオススメ!】第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の違いを解説
その後に、取得する上位資格としては「労働衛生系」と「保険労務系」に分かれます。
衛生工学衛生管理者(労働衛生系)
第一種衛生管理者の上位資格に「衛生工学衛生管理者」があります。衛生工学衛生管理者は一定の有害業務などを行う事業所(工場・研究所)などで選任が必要です。
法律上は「衛生に係る技術的事項で衛生工学に関するもの」と定められています。
「衛生工学衛生管理者」は指定の講習を受けた上で、試験に合格する必要があります。
講習を受けるために、「第一種衛生管理者資格」取得もしくは、工学系または理科系の大学を卒業していることが要件となっているなど、「衛生管理者」の中でも専門性が高い資格になっています。
工場や研究所で衛生管理の専門家を目指す方は取得を目指してはいかがでしょうか。
労働衛生コンサルタント(労働衛生系)
衛生管理者資格取得のための講習会の講師を担当していた人が「労働衛生コンサルタント」でした。
こちらは、自分の職場の衛生管理にとどまらず、他の事業所の衛生管理にアドバイス・指導ができる立場になります。
より細かい専門知識が必要になります。現在の現場での仕事が物足りないようでしたら、取得を目指してみるといいでしょう。
社会保険労務士(保険労務系)
少し毛色の違う専門職として「社会保険労務士」があります。
社会保険労務士は行政書士や公認会計士と並ぶ、「士業」とよばれる、高レベルの人事労務・社会保険に関する「国家資格」です。
こちらは短くとも、半年〜1年間は勉強期間が必要で、合格率が10%をきる難関資格です。
「衛生管理者」とは試験範囲の「労働安全衛生法」が被るくらいですが、興味をもったら目指してみる価値はあります。
衛生管理業務に関わる専門職
続いて、衛生管理業務を行うことになった場合に、関わる専門職を紹介します。
事業場の労働者数が10人未満・10~49人・50人以上で設置するべき専門職が異なります。
10人未満の事業場には設置は不要で、それ以上になると以下の図のようになります。
参考:公益社団法人 労務管理教育センター「安全衛生管理体制」
ここで紹介するものはそもそも分野が異なるので、「衛生管理者」の後に取得するには適さない資格になります。
ここで紹介する以下の方々と「安全衛生委員会」を開催し、職場の衛生管理業務を行っていくことになります。
- 総括安全衛生管理者
- 安全管理者
- 衛生管理者
- 産業医
総括安全衛生管理者(衛生管理者のトップ)
事業場ごとにその事業の実施を「総括管理する安全衛生管理者」を選任することになっています。私の職場では部長が担当しています。部長が資格を取得していない場合は、本部の労務担当の係長がなることもありました。
その下に、各事業場に第一種衛生管理者と第二種衛生管理者が配置されていいます。
ちなみに、「安全衛生管理者」という役職はありません。総括するのは「総括安全衛生管理者」で、その下に「安全管理者」と「衛生管理者」がいます。
安全管理者(安全に係る技術的事項を管理)
総括安全衛生管理者が全てのリーダーで、その下に「衛生管理者」がいますが、似た職種で「安全管理者」という資格もあります。
こちらも労働安全衛生法で定められており、事業場の安全全般を管理するのが仕事です。
「安全に係る技術的事項を管理する」のが仕事で、理科系の高校または大学を卒業した人がなることが基本となっています。
産業医(医療的観点から指摘を行う)
衛生管理者関係とは少し離れますが、「産業医」も関係する職種です。
健康管理等を行うにあたり医学に関する知識が必要なこともあります。その際には「産業医」が業務を行います。
医師の業務分野である、健康指導や面接指導などは「産業医」が行います。
また、「産業医」は悪い環境が人体に与える影響などに関しても助言することが多いです(業務を行うのに換気ができていない、暗すぎるなど)。
安全衛生推進者
中規模な事業者のみに必要な職種です。50人以上の事業場になると、「安全管理者」「衛生管理者」が職場に必要ですが、10〜49人の規模の場合、安全衛生推進者をおくこととしています。
業務内容は「安全管理者」「衛生管理者」より権限が小さくなったものと考えればいいでしょう。「管理」することはできないから、「推進」をするという役割です。
安全管理者を定める必要がない事業所の場合は、「安全衛生推進者」ではなく、「衛生推進者」となります。
まとめ:上位資格・転職も検討しよう
衛生管理者以外の関連資格を紹介してきました。
「衛生管理」に関する専門的な業務は理系の「安全管理者」や「衛生工学衛生管理者」、「産業医」が担っています。
実務上は「衛生管理者」が巡視などでは中心に行うことになると思います。
上位資格を目指す場合は文系なら「社会保険労務士」、理系なら「衛生工学衛生管理者」「労働衛生コンサルタント」がいいでしょう。
特に「社会保険労務士」などの難関資格は独学では難しいかもしれません。通信講座の受講なども検討するといいでしょう。
また、スキルアップや転職を目指す場合は、「労働衛生」資格にこだわらないという考え方もあります。実際に筆者は、労働衛生分野はあきらめ、「宅地建物取引士」の資格を翌年に取得しました。
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